松代城内の諸建築のうち、唯一残ったのがこの真御殿跡（真田邸）である。 真御殿は、文久２年（1962年）の参勤交代の緩和により、九代藩主・真田幸教の母お貞が松代に帰るにあたっての 住居（隠居所）として立てられたものである。明治維新後は真田家の私邸となり、 昭和４１年に当時の松代町に寄贈された。 真御殿は、文久３年から翌年にかけて建築工事が行なわれた。その後、明治時代に東南部の「御役所」や２階部分 を増築するなど、部分的な改造が行なわれ現在に至っている。真御殿は幕末期に建てられた大名の別邸という性格 をもつ・こうした建物は全国的に見ても稀である。　＜２００３年１１月＞